2022年6月10日金曜日

第4回ER/ICU ASSISTセミナー

救命診療部の原です。

6月2日に「ER/ICU ASSISTセミナー」がweb開催されました。このセミナーは愛媛大学救急医学講座の佐藤格夫教授を中心に「四国に若手医師を集めよう」という趣旨のもと、当初は愛媛県とその関係者で開催されていました。ASSISTとは、All Skills up Series In Shikoku Type」の略です。

このたび第4回は高知県にもお声がけをいただき、高知大学災害医学講座の西山謹吾教授が座長となられて開催されました。コロナ禍ということで残念ながらweb開催となりましたが、四国だけでなく全国から100名を超える若手の先生方に視聴していただき、大盛況となりました。

今回のテーマは「リチウム中毒」でした。

症例提示を高知赤十字病院初期研修医2年目の山中絵里加先生、Lectureを高知大学災害救急講座の竹内慎哉助教が担当してくれました。

みなさん、リチウム中毒を経験したことはありますか??実は、知れば知るほど面白い中毒なんです!


当日はこのようにホテルの一室でライブ配信をしていました。
山中先生(左)、西山教授(右)、竹内先生(奥)

山中先生は「リチウム中毒は奥が深い!治療介入を要した2症例」と題し、過去の当院でのリチウム中毒症例を提示しながら、リチウム中毒の特性と注意点についてわかりやすく発表してくれました。当日は少し緊張したかもしれませんが、非常に落ち着いて発表できていました。質疑応答でも指導医のサポートがなくても堂々と回答できていましたし、横から見ていてとても頼もしく成長を感じていました。忙しい臨床の合間にスライドチェックのために何回も私のところに足を運んで仕上げてくれました。大変だったと思いますが、この苦労はきっと今後の医師人生に役立つと思います。

リチウム中毒について堂々と発表してくれた山中先生

高知大学の竹内先生は、「夏の中毒といえば?…リチウム中毒!」という演題名で、山中先生が発表した内容をさらに深く掘り下げてくれただけでなく、中毒総論についても非常にわかりやすいスライドで解説してくれ、まさに「ナイスASSIST」でした。竹内先生の発表は、いつもスライドが秀逸でとても見やすく理解しやすい構成に感心させられます。

竹内先生のわかりやすいスライドの一部です

たくさんの質疑応答があり、本セミナーは大盛況の内に無事に終了しました。
視聴してくれた若手の先生方は、リチウム中毒についてかなり理解が深まったのではないでしょうか。

今回のセミナーだけでなく、普段の臨床から高知県内の医療機関は密につながっています。とくに救急部門については、高知大学の西山教授を中心に、高知赤十字病院、高知医療センター、近森病院の3つの救命救急センターだけでなく、その他の二次医療機関とも深く連携し、まさしく「オール高知」で県内の救急医療を支えています。
また愛媛大学の佐藤教授をはじめ、徳島県や香川県の救急医療機関とのかかわりも深く、今後も四国全体で救急医療を盛り上げていければと思っています。
四国4県すべてに特徴があり、それぞれの良さがあります。
全国の医学生のみなさん、初期研修医のみなさん、自然豊かな四国でのびのびと初期研修、救急医療をやりませんか??
ぜひ一度見学に来てください。お待ちしています!

2022年6月9日木曜日

ERに新エコー購入!

救命診療部の原です。

先日、ERに新しいエコーが納入されました。

当院では、これまでERでもICUでもGEヘルスケアの「Vivid」を使用していたのですが、このたび新たに富士フイルムの「SonoSite」の購入に踏み切りました。

「SonoSite」の特徴は、血管エコーと腹部エコーが非常に見やすく、とくに神経ブロックにおける神経や筋肉、血管の描出には素晴らしい能力があります。

当救命診療部でも、日本ペインクリニック学会専門医の村上先生をはじめ、ERやICU、OP室で神経ブロックを駆使して積極的に患者様の疼痛コントロールに介入しています。現在も上肢デグロービング損傷で手術を受けた患者様に、持続的な腕神経叢ブロックを行って術後の良好な除痛を得ています。

私はこの分野に関しては全くの素人なので、このエコーの良さをなかなか理解できませんでしたが、普段は物静かな村上先生のイキイキした嬉しそうな表情を見ると、このエコーを選択してよかったなと思います(^-^;

最近では神経ブロックだけでなく、肺エコーや眼エコーなど全身の臓器をエコーで評価できなければならない時代になってきています。エコーはベッドサイドで短時間で施行でき、患者さんへの侵襲もありません。「エコーを聴診器のように使いこなす!」と言われて久しいですが、救急集中治療医としてこれからの時代を生き抜くキーワードなのかもしれませんね。


研修医の桑原先生(右)に神経ブロックの指導をする村上先生(左)

アツい指導はいつまでもつづきました…

村上先生の熱意に納入業者も喜んでいました(^-^;