2021年12月28日火曜日

日本救急医学会指導医施設認定!!

 みなさんこんにちは。救命診療部の原です。

いよいよ年の瀬となり、コロナに振り回された2021年が終わろうとしています。通常診療最終日の本日も、当院は急患や緊急手術に明け暮れています。2022年こそは落ち着いた日常が取り戻せることを祈るばかりです。

さて本日は嬉しい報告があります。このたび2022年1月1日より、高知赤十字病院救命救急センターが日本救急医学会指導医施設に認定されました!

この救急医学会指導医施設を申請するには、指導医が2名常駐していることが必須なのですが、この指導医資格の取得が非常に難易度が高くハードルとなっていました。3年前に私が指導医を取得し、昨年に山下センター長が指導医を取得して、今回ようやく念願の指導医施設に認定されました。指導医を取得するには、指導医施設に7年勤務することが最低条件であり、一定の臨床経験だけでなく論文執筆も必要となっています。

指導医施設は東京や大阪などの都市部には多くありますが、地方では各県に1つあるかないかの貴重なもので、四国では香川大学、愛媛大学に次いで3病院めの認定となります。もちろん名前に準じた高度な診療レベルとスタッフが要求されますので、今後もレベルアップに努めていきたいと思います。そして今後もスタッフが救急指導医を取得できるよう、日々の臨床だけでなく学会発表や論文の指導なども充実させていきたいと考えています。

また当救命救急センターでは、他にも集中治療専門医、麻酔科専門医、外傷専門医、呼吸療法専門医、腹部救急認定医などの認定施設となっており、各自の希望に応じた勤務体系を組むことができます。子育てをしながら働いている女医さんがたくさん在籍しているのも当センターの特徴です。

救急医学会指導医資格を目指している方は、当院でともに働いてみませんか??興味のある方はぜひご連絡ください。お待ちしています。






2021年12月7日火曜日

第11回高知Acute care surgery研究会

みなさんこんばんは。救命診療部の原です。

12月3日(金)に高知城ホールにて、第11回高知Acute care surgery研究会が開催されました。コロナ禍が落ち着いてきているとはいえ、現地+オンラインのハイブリッド開催にて50名以上の方に参加いただき盛会に終わりました。

昨年はコロナ禍の真っ只中でオンライン形式となってしまっただけに、2年ぶりに現地開催ができ研究会の代表世話人としてホッと胸をなでおろしているところです。

今回の特別講演は、島根大学Acute care surgery講座の比良英司先生にお願いしました。演題は「Acute care surgery診療体制をどのように構築しマネジメントしてきたか~島大ACS講座の5年間を余すことなく公開します~」と題し、わずか3名での講座の立ち上げから現在の診療体制に至るまで、その苦労と実績をお話していただきました。われわれ高知県のACS体制にも十分に参考になるお話をいただき、今後に生かしたいと関係者一同で感銘を受けた次第です。

また一般演題では、当院救命救急センターの桐田先生から「ERを経由し入院となった急性胆管炎症例の検討~rTM使用例もふまえて~」、昨年当院から島根大学に移った山本先生から「出血性ショックで緊急開腹術を行った腹部外傷の1例~当院での外傷診療の実際~」ほか、3つの演題発表があり、活発な議論が交わされました。参加者のみなさんにも非常に有意義な内容だったのではないかと思います。

最後は高知大学災害救急医学講座の西山教授にご挨拶いただき閉会いたしました。

その後は比良先生を囲んで、静かに慰労会を行いました。プライベートな話もたくさんしていただき、楽しいひとときを過ごさせていただきました。島根と高知のつながりがさらに深まったのではないかと思います。

お忙しい中、わざわざ高知まで来てくださった比良先生と山本先生に感謝申し上げます。今後も一人でも多くの重症患者さんを救命できるよう、県内3つの救命救急センターを中心に高知県のACS体制を充実させていきたいと思います。

高知赤十字病院・桐田先生

島根大学ACS講座・山本先生

慰労会で比良先生(中央右)を囲んで


2021年11月24日水曜日

第49回日本救急医学会総会・学術集会

みなさん、ごぶさたしております。
救命診療部の原です。
コロナ禍もあってすっかりブログ更新から遠ざかっていたのですが、2年ぶりの更新となります。

11月21日から23日まで、東京日本橋で行われた第49回日本救急医学会総会・学術集会に参加してきました。
コロナ禍が落ち着き、久しぶりに現地開催となった学会でした。
私も久しぶりに全国の救急や災害医療従事者の先生方と直接会って話をすることができ、ようやく日常が戻りつつあることを実感した学会でした。

当救命救急センターからは、救急科専門医プログラムで研修中の桐田先生が、一般演題「低血圧に対するアドレナリン使用が逆たこつぼ型心筋症と肺水腫を誘発したと考えられた1例」を発表しました。
もともと優秀で貫禄のある桐田先生ですが、全国学会でも落ち着いて堂々と発表し、循環器系救急と思われる先生からのスルドイ質問にも難なく答えていました。
この発表はめずらしい症例なので、知識のあるうちにぜひ論文化してもらいたいですし、われわれ指導医もしっかりバックアップしたいと思っています。

さて今回の学会では、昨年まで当救命救急センターに在籍していた島根大学Acute Care Surgery講座の山本祐太郎先生とも再開できました。相変わらず元気な様子と手術を頑張っている現状を聞いて安心しました。
このように当救命救急センターを巣立っていった若手先生方の活躍を耳にすると嬉しいものです。
来年度も2名の新しいスタッフを迎えるにあたり、さらにレベルアップできるよう今後もチーム一丸で頑張っていきたいと思っています。

予演会からさらに改善されてとても聞きやすい発表でした

堂々と質疑に応答していた桐田先生

左から山本、村上、桐田、原

学会会場近くの日本橋をながめて

東京はもうクリスマス一色でした

2021年4月17日土曜日

思い出のアルバム:救命診療部春2021

 

いーつのことぉーだかー

思い出してごぉーらぁん


あんな事ぉー、こんな事ぉー、あーったーでしょー

 

布村先生が、この春で卒業(長期出張)してしまったこぉーとぉー

(自分でブログ更新させてごめんなさい・・)




新しい先生が入部(救命診療部)してくれたこーとー





いーつーにーなぁーってもぉー、わーすれーないー





2021年3月31日水曜日

ぬのちゃん、徳島帰るってよ ー救急部のススメー

みなさん、こんばんは

救命診療部の布村です。

ブログ書きてえなあと思いながら、筆不精で1年くらい経ちました。

更新を楽しみにしているみなさん、すみません。


今年度はコロナの影響もあり、多くの学会がweb開催になりました。

普段はいけないような各地の地方会もwebで参加でき、またオンデマンド配信の恩恵も個人的にはかなり受けたので、悪いことばかりではなかったのかもしれません

(と、現地にいけなかったのでブログの更新が滞ったという言い訳「風」にしました)


ところで、今回のタイトルは「ぬのちゃん、徳島帰るってよ」になってます。

ぬのちゃんて私なんですけど。

私事ですが、3月31日を持って退職して地元の徳島大学病院で働くこととなりました。

以下、回顧録ですが、これを読んだ誰かが救急部に興味を持ってくれたらと思います。


2017年10月に高知赤十字病院救急部(現救命診療部)の一員となりました。

目的は「救急車が来ても逃げずに戦える医師になるため」でした。

救急車を見るのが苦手でこのままでは一生後悔すると思い、高知日赤に来たのです。


10月1日に旧病院のICUで「540日全力で頑張ります」と挨拶したことを昨日のように思い出します。

新病院移転も相まって、結果としては1200日勤務したことになりました。

この病院がいかに自分にとって居心地がよく、いい病院だったかを示す「数字」の一つかと思います。

「数字」と言えば、高知日赤は402床といい意味で、小回りの効く規模の病院だったのだと思います。

各診療科の先生方をはじめ、外来・病棟の看護師さん、リハスタッフさん、MEさん、地域連携室や事務方のスタッフの方々、みんな暖かく迎え入れてくださり、そして患者さんと家族のために一緒に戦ってくれました。

本当にありがとうございました。

おかげで救急科専門医も取得できました。


勤務表を振り返ってみると、入職時には当時のボスであった西山謹吾先生とペアで日勤帯のER業務をよくしていました。

その頃は、自分一人で見れないと思うや否や「西山先生呼んできて」と研修医に頼んでいました。

そんな忙しい救急外来でたくさん指導していただきましたし、これからも僕は「教えることは学ぶこと」を実践し続けようと思っています。

人を魅了するそのパワーは本当に真似できません。


そして、現在のボスである山下幸一先生は僕の理想で憧れです。

「これはアカン」と思うとそこに颯爽と現れ、いつも後光がさして見えました。

誰に対しても優しく、真摯に患者と向き合う姿、そして豊富な知識。

一緒に働けば、きっとその凄さを実感することでしょう。

そしてこの人と一緒に働きたい・頑張りたいと思うはずです、僕は今でもそう思ってます。




さて、全然話変わりますけど。

昨日、サヨナラの挨拶をした時にICUの看護師さんに以下のように言われました(原文ママ)

「ぬのちゃん、高知にきた頃にはNPPVの回路、何準備したらいいか分からんへん!って言いながらあたふたしてたけど、それが今はNPPVについて研修医の先生に教えてるとは見違えるようやなあ」

ああ、そんなことあったなと。

成長というのは自分では全く分からないものですが、高知日赤にくれば絶対に成長するんだと思います、

自分で言うてもうてるけど。




高知日赤のERでは初療をして各科に主治医を依頼する形です。

ICUにはいる重症患者さんは主科と一緒になって診療していきます。

この「一緒になって」が本当に好きです。

みんなで協力して最高の結果を求めていくこと、それができるのがこの施設の強みで、そして1番大切であるということも教えてもらいました。

どうでしょうか、救急部に興味でてきましたか?


さて、僕の目的だった苦手なERでの診療ですが、結論からいうと好きになりました。

高知日赤にきた頃は、ICUが好きでしたが今はERも好きです。

というのもさらっとERのスタッフへの挨拶の中で指摘されました。

「ぬのちゃん、ER苦手やから来た割には最近イキイキしながら初療室入ってくるで!」

ICUもERも好きだと思うように育てていただいたセンター外来・センター病棟のスタッフのみなさんありがとうございました。


このようにみんなに支えてもらってばかりの3年半でした。

みなさんに与えてもらってばかりの3年半でした、何か形として残せればと思ってましたが思い出だけしか残りませんでした。

せめて、自分が楽しかったという思い出を伝えて、徳島に帰るってよってことで。

高知日赤は本当にいいところです、何回もいうけど。

出会えた全ての人に、感謝と愛を込めて。

ありがとうございました、大好きです!













さあ、ここまで写真一枚もないにも関わらず、この長文を最後まで読んでくれた方は救急部に興味のある方かぬのちゃんのファンの方なのでしょう。

3年半前には想像もできなかったERを飛び出して病院前も好きになった姿で終わります。

みなさんぜひ、救命診療部へお越しください!