2021年3月31日水曜日

ぬのちゃん、徳島帰るってよ ー救急部のススメー

みなさん、こんばんは

救命診療部の布村です。

ブログ書きてえなあと思いながら、筆不精で1年くらい経ちました。

更新を楽しみにしているみなさん、すみません。


今年度はコロナの影響もあり、多くの学会がweb開催になりました。

普段はいけないような各地の地方会もwebで参加でき、またオンデマンド配信の恩恵も個人的にはかなり受けたので、悪いことばかりではなかったのかもしれません

(と、現地にいけなかったのでブログの更新が滞ったという言い訳「風」にしました)


ところで、今回のタイトルは「ぬのちゃん、徳島帰るってよ」になってます。

ぬのちゃんて私なんですけど。

私事ですが、3月31日を持って退職して地元の徳島大学病院で働くこととなりました。

以下、回顧録ですが、これを読んだ誰かが救急部に興味を持ってくれたらと思います。


2017年10月に高知赤十字病院救急部(現救命診療部)の一員となりました。

目的は「救急車が来ても逃げずに戦える医師になるため」でした。

救急車を見るのが苦手でこのままでは一生後悔すると思い、高知日赤に来たのです。


10月1日に旧病院のICUで「540日全力で頑張ります」と挨拶したことを昨日のように思い出します。

新病院移転も相まって、結果としては1200日勤務したことになりました。

この病院がいかに自分にとって居心地がよく、いい病院だったかを示す「数字」の一つかと思います。

「数字」と言えば、高知日赤は402床といい意味で、小回りの効く規模の病院だったのだと思います。

各診療科の先生方をはじめ、外来・病棟の看護師さん、リハスタッフさん、MEさん、地域連携室や事務方のスタッフの方々、みんな暖かく迎え入れてくださり、そして患者さんと家族のために一緒に戦ってくれました。

本当にありがとうございました。

おかげで救急科専門医も取得できました。


勤務表を振り返ってみると、入職時には当時のボスであった西山謹吾先生とペアで日勤帯のER業務をよくしていました。

その頃は、自分一人で見れないと思うや否や「西山先生呼んできて」と研修医に頼んでいました。

そんな忙しい救急外来でたくさん指導していただきましたし、これからも僕は「教えることは学ぶこと」を実践し続けようと思っています。

人を魅了するそのパワーは本当に真似できません。


そして、現在のボスである山下幸一先生は僕の理想で憧れです。

「これはアカン」と思うとそこに颯爽と現れ、いつも後光がさして見えました。

誰に対しても優しく、真摯に患者と向き合う姿、そして豊富な知識。

一緒に働けば、きっとその凄さを実感することでしょう。

そしてこの人と一緒に働きたい・頑張りたいと思うはずです、僕は今でもそう思ってます。




さて、全然話変わりますけど。

昨日、サヨナラの挨拶をした時にICUの看護師さんに以下のように言われました(原文ママ)

「ぬのちゃん、高知にきた頃にはNPPVの回路、何準備したらいいか分からんへん!って言いながらあたふたしてたけど、それが今はNPPVについて研修医の先生に教えてるとは見違えるようやなあ」

ああ、そんなことあったなと。

成長というのは自分では全く分からないものですが、高知日赤にくれば絶対に成長するんだと思います、

自分で言うてもうてるけど。




高知日赤のERでは初療をして各科に主治医を依頼する形です。

ICUにはいる重症患者さんは主科と一緒になって診療していきます。

この「一緒になって」が本当に好きです。

みんなで協力して最高の結果を求めていくこと、それができるのがこの施設の強みで、そして1番大切であるということも教えてもらいました。

どうでしょうか、救急部に興味でてきましたか?


さて、僕の目的だった苦手なERでの診療ですが、結論からいうと好きになりました。

高知日赤にきた頃は、ICUが好きでしたが今はERも好きです。

というのもさらっとERのスタッフへの挨拶の中で指摘されました。

「ぬのちゃん、ER苦手やから来た割には最近イキイキしながら初療室入ってくるで!」

ICUもERも好きだと思うように育てていただいたセンター外来・センター病棟のスタッフのみなさんありがとうございました。


このようにみんなに支えてもらってばかりの3年半でした。

みなさんに与えてもらってばかりの3年半でした、何か形として残せればと思ってましたが思い出だけしか残りませんでした。

せめて、自分が楽しかったという思い出を伝えて、徳島に帰るってよってことで。

高知日赤は本当にいいところです、何回もいうけど。

出会えた全ての人に、感謝と愛を込めて。

ありがとうございました、大好きです!













さあ、ここまで写真一枚もないにも関わらず、この長文を最後まで読んでくれた方は救急部に興味のある方かぬのちゃんのファンの方なのでしょう。

3年半前には想像もできなかったERを飛び出して病院前も好きになった姿で終わります。

みなさんぜひ、救命診療部へお越しください!