2019年3月23日土曜日

第24回日本災害医学会総会学術集会

みなさん、こんにちは。
救急部の原です。

3月18日から20日まで、鳥取県米子市にある米子コンベンションセンターで行われた第24回日本災害学会に参加してきました。
この学会では、これまで日本で発生した阪神大震災をはじめ、東日本大震災や熊本地震、御嶽山噴火、西日本豪雨災害などさまざまな種類の災害を通じて、DMAT隊員や日赤救護班、行政や保健所の方々など多職種による発表をもとに活発な議論がされます。

私は「南海トラフ地震における高知市中央西圏域DMAT活動拠点本部の役割と課題~平成30年度大規模地震時医療活動訓練を通して~」という題名で、昨年8月に行われた政府の災害訓練において、当院に設置された高知市中央西圏域DMAT活動拠点本部の活動について報告してきました。
今後30年間で70%以上の確率で発生するといわれている南海トラフ地震がいざ起こってしまえば、高知県でなく日本全国で甚大な被害が発生することが予想されます。

当院は災害拠点病院であるとともに、高知県内3つの広域的な基幹災害拠点病院の1つに指定されています。
当院救急部には、西山センター長をはじめ、山崎、原、廣田の4名が日本DMAT隊員でかつ統括DMAT資格を有しており、院内の災害対応だけでなく、日本DMAT隊員養成研修や全国救護班研修、MCLSコースなど種々の災害コースでインストラクターとして指導にあたり、高知県の災害医療の中核として他の災害拠点病院と協力しながら日々活動しています。
そして村上、山本も日本DMAT隊員として活動しています。
他にも当院内科部長の溝渕先生、形成外科部長の中川先生も、以前から災害医療に従事されており、日赤救護班として東日本大震災や熊本地震にも派遣され現地で活動されました。お2人とも日本DMAT隊員であるだけでなく、統括DMAT資格も有しており、現在も院内災害ワーキングのメンバーとして活動されています。

このように当科では、救急医療や集中治療、麻酔のほかに災害医療にも力を入れています。
この5月6日には津波が到達しない地域に新築移転する予定です。
もちろん免震構造でヘリポートも新設されています。
今後も当院の役割はますます大きくなることが予想されます。

災害医療に興味がある方、DMAT隊員や日赤救護班として活動したいという志のある方は、ぜひ当院救急部に見学に来てください!
一同お待ちしています。




私が以前勤務していた横浜労災病院でともに被災地で活動した仲間たちと

鳥取県の地酒をいただきました

今年5月6日に新築移転する新病院




2019年3月14日木曜日

第55回日本腹部救急医学会総会

皆さんこんにちは、救急部・山本です。
小春日和で暖かい日差しかと思いきや、夜になると気温差の激しい毎日ですね。
皆さん、体調崩されてませんでしょうか?
筆者・山本は相変わらず元気に過ごしております。
いつも通り、ピンピンしております。
さて、先日出張に行かせて頂いたので、その報告をさせて頂きます。

3月7日~8日、第55回日本腹部救急医学会総会in仙台に参加して参りました。
東北の地はまだまだ寒くて、夜は雪がチラチラと舞っておりました。

メイン会場。会場は広くて綺麗で、とても快適でした。


会場の仙台国際センターまで仙台駅から直通5分程という、立地もよく、駅も華やかで、大変過ごしやすかったですねぇ。
仙台の美味しい食事にも囲まれ、有意義な時間を過ごさせて頂きました。

仙台名物・牛タン。店によって色んなメニューがあるんですねぇ。美味でした。


さて肝心の学会ですが、今回認定医セミナーというものを受講して参りました。
腹部疾患を中心に、虫垂炎、胆嚢炎、胆管炎、外傷等、多岐に渡る病態の座学を受けることが出来ました。外科的介入はもちろん、今回私は血管内治療の講義も受講させて頂き、素人感覚ではありますが、腹部疾患への幅広い治療についても、学ぶ事が出来ました。我々救急医に課される課題としては、その疾患をいかに疑うか、診断を来すか、その介入方法として内科的治療なのか、血管内治療なのか、外科的治療なのか、そしてその治療介入をどのタイミングで行うのか。
色々と悩ましいですが、医療従事者が皆志しているのは、「患者にとってより有意義で低侵襲であるべき治療方針を」と、議論を交わすわけなんですねぇ。
当院でも、色々な科の先生を巻き込ませて頂き、ご指導を頂き、治療方針を決めています。

一緒に参加した救急部・原副部長と。

当院救急部は、麻酔科専門医を有する医局員が14人中9人、また原副部長、筆者・山本は外科専門医を有しております。救急疾患に対して、診断→治療→周術期管理という一貫した急性期治療を行えるよう、他科スタッフと協力し、日々治療に当たっております。

余談・・・
今回、「後生畏るべし」というテーマが掲げられておりました。本学会は、外科Drの登竜門と言われているようで、確かにたくさんの学生、初期研修医が発表し、参加しているのが印象的でした。
まだまだピチピチの若手と自負していた山本ですが、最近飲み会をすると、自分が一番上になりがち、という事に気付いてしまい、ショックを隠せません。
もう若くはないんやなーと自覚しつつ、自分がそうであったように、下の世代が伸び伸びと過ごせるような環境作りを行っていくのが、自分の役目なんだろうなと、最近つくづく思うわけです。


3月は別れの季節ですね。
次のblogは、当院救急部の異動について更新しようと思います。

2019年3月6日水曜日

第46回日本集中治療医学会学術集会

皆さん、こんばんわ。救急部・山本です。
集中治療医学会学術集会に参加して参りましたので、ご報告致します。


場所は京都。
学会前日から開催されているセミナーに、山本、橋爪Dr、山下Dr、そして当院研修医の矢野Dr、西森Drが参加して参りました。
山本は研修医2人と「Be an Intensivistコース」に、橋爪Drは「神経集中治療ハンズオンセミナー」に、山下Drは「緊急気道確保対応トレーニング」に。
午後からは山本、山下Drが「リフレッシャーセミナー」に参加して参りました。
ハンズオンでは、実際に手に触れて教えて戴けて、体験することで、より理解度も深まるセミナーでした。
研修医2人は、集中治療の奥深さに興味深々で、とても勉強になったとのこと。
これから敗血症の初期対応は、二人に任せようと心に誓いました笑
院内で急変があったときには、すぐに呼びますね!!
呼吸器のグラフィックを用いた病態把握について。ふむふむ。


さて、夜は定番の、スタッフ一同で美味しい食事を堪能して参りました。
今回は京都ということで、京都のグルメに詳しい橋爪Drお勧めで、すき焼きを食してきま
した。
ざらめ、割り下で頂きました!

皆、肉に夢中ですね。

大変美味しゅうございました。

その後も、楽しい京都の街を練り歩き、夜中遅くまでワイワイガヤガヤと騒しまして・・・
研修医の勧誘もしっかりちゃっかり、やってきました笑


そして学会初日、救急部から私山本が口演発表をして参りました。
「体温管理後に完全社会復帰した溺水後心肺停止蘇生後脳症の一小児例」という演題です。
小児の心肺停止蘇生後脳症の体温管理は、定まった方法が決まっておらず、施設間や国ごとにも方針が少し違っているのが現状です。
今回私が経験したのは、34℃48時間施行、24時間で0.5℃ずつ復温を行い、後遺症もなく、完全社会復帰を果たしました。
発表前の山本。緊張しております。何とか無事に終えました。

肺炎、ARDSと管理に難渋しましたが、呼吸不全も改善。
低体温に晒されましたが特に大きな有害事象もなし。
鎮静薬の離脱症状なのか、脳症の症状なのか判断に難渋した時期もありましたが、そちらも軽快し、今は無事に小学校に通っております。
抜管後にリハビリを進めてもらって、日に日に良くなっていく姿は、本当に頼もしく、我々も嬉しく思いました。
患児が退院前にICUに寄ってくれたんですが、とあるNsは泣いて喜んでおりました笑
当の本人は、ICUでの記憶はほぼ無いのだとか。。。
それでよいと思います、要らない記憶はないほうがいいですよね。
結果、体温管理がどこまで功を奏したのか、それはもっとデータを集約すべきでしょうし、一地方でその集約は困難かもしれません。
しかしこのような経験が出来た事は我々スタッフにとっても本当に有意義で、今後の診療に是非生かしていきたいと思います。

救急部スタッフと共に撮影。


上記症例もしかりですが、やはり多職種で治療を進めていくべきだなと、改めて感じた学会でした。
毎日のデスクカンファレンス、walkinカンファレンス、どちらも大切で、些細な患者の変化に気付けて、耳を傾けることの出来る医師でありたいなーと、改めて思えた学会でした。
最後になりましたが、学会滞在中に院内で守って下さっていた医局員の皆様、本当にありがとうございました。

2019年3月2日土曜日

皆さんお久しぶりです。

こんばんは、救急部・山本です。年明け1発目の投稿になります。
少しずつ寒さも和らぎ始め、春の訪れを感じる今日この頃ですね。
最近の救急部イベントを振り返ってみようと思います。

2月に、毎年恒例の高知龍馬マラソンにメディカルランナーとして参加して参りました。
当院からは、他にも救急部スタッフが救護員として参加していたり、他科Drやコメディカルの面々もマラソンに参加しておりました。

出場者で記念撮影。まだ皆余裕の表情です。
 
 
当日は寒空ではありましたが、曇り一つない晴天で、天候に恵まれました。心配されていた脱水症を始めとする急変患者も、少数で無事に終えたようで何よりでした。それも、支えて下さるたくさんのスタッフ様のご協力が故だと思います。本当に、頭が上がりません。
 
例年のごとく、曇り一つない晴天の下、無事に完走できました。
 
 
当院救急部・山下Drが救護員として参加。しっかり仕事してました。

ゴール地点では、当院救急部・廣田Drが仕切っておられました。お疲れ様でした。
 

今年度はランナーとして参加された当院救急部・本多Drと。怪我なく完走、さすがです。

お世話になっている外科Drと。日常も忙しいのに、マラソン完走するなんて、タフですねぇ。
 
 
たくさんの院内スタッフと共に参加でき、本当に楽しい1日でした。最後に、高知県を総揚げで企画され、様々な機関から医療スタッフが動員され、本当にお疲れ様でした。無事に終了された事を、本当に嬉しく思います。お疲れ様でした。



最近の出来事を、徒然なるままに挙げていこうと思います。
当院ICLSコースに、当院救急部・村上DrがCDで仕切りの下、開催されました。

デモを見せている、来年度から一緒に働く曽村研修医。うん、輝いていますね。
 
救急部からは、私山本がブース長として参加しました。院内コースの参加は久しぶりでドギマギしておりましたが、皆さんに助けて頂き、無事に終える事出来ました。ありがとうございました。
院内コースに参加して、やはり自施設の制度や設備・スタッフの力量等、いい意味でハッとさせられる事もたくさんありまして、参加出来てほんとうによい時間になったなーと思いました。
新病院に向けて、今後も院内活動にも力を入れて参りたいと思います。
 



救急部・若手で新年会を行いました。毎年恒例化としているクエ鍋を、皆で堪能して参りました。

研修医も誘って、皆で記念撮影を。
 
現在産休中で休まれている救急部・柴田Drも来ていただけて、本当に楽しい会になりましたね。
4月からの復帰、皆心待ちにしております。
 
 
 

村上指導医の下、布村専攻医が研修医と気管切開を行っております。
 

島津指導医の下、研修医がエコーガイド下で中心静脈を確保しております。
 
 
 上記は、日常業務から抜粋してきました。当院救急部では、このように上級医指導の下、色々な研修を積む事が出来ます。手技はもちろん、初期治療から重症患者の集中治療まで、皆で切磋琢磨しております。
 
さて、現在京都にて集中治療医学会が開催されておりますね。
筆者・山本は今回、初めて集中治療医学会で口演をさせて頂きました。
その内容もろもろ、また後日アップさせて頂きます。