2020年3月18日水曜日

SSTT標準コースを受講してきました

みなさんお久しぶりです。
救命診療部の原です。
しばらくブログ更新が滞っていました…
最近は新型コロナウイルスの対応で、全国のみなさんも対応に苦慮されていると思います。
1日も早く収束するよう、各自ができることを確実にやっていきましょう。

さて今回私は2月8、9日と、大阪のりんくう総合医療センターでSSTT標準コースを受講してきました。
SSTTとは、Surgical Strategy and Treatment for Traumaの略称で、日本語に訳すと「外傷外科手術治療戦略コース」となります。
このコースはブタの生体を使用した外傷実技のトレーニングコースであり、1チーム4名(医師2名、看護師2名)で受講します。倍率が高くなかなか受講に当選することすら難しいのですが、今回私たちはラッキーなことに2回目の応募で当選することができました。
メンバーは私のほかに外科の松岡先生、手術室看護師の長野君と松岡さんの4名で「高知赤十字病院チーム」を組みました。いずれも普段から外傷診療に積極的に取り組んでいる方ばかりで、私も非常に心強い限りでした。
外傷外科では「迅速性と的確性」「戦略」「戦術」「チームワーク」の4要素が非常に重要で、とくに重症外傷患者の診療では常に頭に置いて作戦を立てる必要があります。
コースではダメージコントロール手術であるガーゼパッキングや脾摘、腎摘、膵体尾部切除、大血管止血、心損傷止血などありとあらゆる外傷手術を経験できました。
私も元外科医ではありますが、最近は手術に入ることも少なくなっていたので本当に貴重な経験ができました。私の誘いを快く?引き受けていただき、一緒に受講してくれた松岡先生には感謝しかありません。また長野君、松岡さんの手術室看護師2名も受講して本当によかったと言ってくれ、その後も病院での啓発に力を入れてくれています。

当院は救命救急センターを有していますが、一部の都市部の三次病院のように外傷センターではなく、救命救急センタースタッフと外科系各科が協力して診療にあたっています。
腹腔内出血や骨盤骨折など出血性ショックを伴う重症外傷の場合は、1分1秒が患者さんの命を左右します。
高知県のような地方ではそのような重症外傷の患者さんがたびたび搬送されるというわけではありませんので、だからこそ日頃からの準備が必要です。
今回の経験を院内の職員に伝え、一人でも多くの重症外傷患者さんを救命すべく今後も頑張っていきたいと思います。
実習前にチーム全員で手術器具をチェックします
ブタの生体を使用しているので遠景のみですが実習風景です
修了式でインストラクターである島根大学ACS講座の先生方と