2019年7月24日水曜日

日本消化器外科学会&日本中毒学会

救命救急センターの原です。
連続投稿です。

7月19日~21日に第74回日本消化器外科学会総会(東京)と第41回日本中毒学会(埼玉)に参加してきました。
今回の出張は中毒学会での発表がメインだったのですが、私は以前に消化器外科医だったこともあり、1日だけですが同時期に同じ関東で開催されていた消化器外科学会にも参加させていただきました。
以前は腹部外傷や救急疾患など、現在でいうAcute care surgery関連のセッションもたくさんありましたが、もはや私が外科に入局したころ(何年前?)の面影はなく、腹腔鏡やロボット手術のセッションばかりでした。
最近の消化器外科のトレンドはどんなものかとロボット手術のシンポジウムにも行ってみましたが、カメラの映像はとても鮮明で美しく、もはや外科というより内科的な要素が強い印象を受けました。時代はどんどん流れているのだなと実感しました。

一方中毒学会では、「ミドドリン塩酸塩中毒の1例」という題目で、昇圧剤のまれな過量内服について発表してきました。
これまで国内外ともほとんど報告例がなかったこともあり、いろんな質問をいただいて活発な議論ができました。
中毒診療は外科と違って、どちらかと言えば地味で泥臭い印象がありかつ新たな知見が得にくい分野です。
しかし一旦ハマると結構おもしろいところもあり、私は嫌いではありません。
今回の学会でも薬物中毒だけでなく、めずらしい自然毒やCO中毒、カフェイン中毒から水中毒にいたるまでありとあらゆる中毒疾患を経験できました。
とくに薬物過量内服は、救命救急センターの医師や看護師だけでなく、再発予防のためには精神科や臨床心理士、ソーシャルワーカーなど多職種との連携が欠かせません。
当院では県の精神保健福祉センターとも連携して再発防止のモデル事業を開始しています。
今後も粘り強く中毒診療にあたりたいと考えています。

新高輪プリンスホテルで開催された消化器外科学会

ロボット手術のシンポジウム


埼玉の川越で開催された中毒学会

毎年恒例の珍しい中毒のフォトコンテスト