2018年7月28日土曜日

第40回日本中毒学会総会・学術集会

こんにちは。
救急部の原です。

毎日暑い日がつづきますね。
この暑さのせいか、当院にも熱中症の患者さんを含めて毎日20~30台の救急車がきています。
ICUも重症患者で満床の状態がつづいていますが、重症患者の集中治療はわれわれが最も得意とする分野であり、少しでも患者さんの容態が回復に向かうよう日々奮闘しています。

さて7月20日、21日に大阪国際会議場で行われた第40回日本中毒学会総会学術集会に参加してきたので報告します。
この学会はその名の通り、「中毒」のマニアック?な人たちが集まる学会で、自然毒から化学薬品まで今まで見たこともないような中毒症例をたくさん目にすることができます。飛び交う質問もやはりマニアックでした!

当院からは私が「頭部MRIで異常所見を呈した一酸化炭素中毒症例の検討」という演題で発表してきました。
一酸化炭素中毒はなかなかエビデンスが得られない分野ですが、当院では救命救急センター開設以来、西山センター長が作成されたプロトコールを遵守して治療にあたってきました。
各施設からの発表は大変興味深く勉強になりましたが、当院での治療経験をもっと発進しさらに発展させたいと思った次第です。

またこの学会には、普段からドクターヘリなどで親交のある高知医療センターからも野島先生、盛實先生、畠中先生が発表していました。
とくに野島先生は全国でも数少ない日本中毒学会認定のクリニカルトキシコロジストであり、中毒のスペシャリストです。
学会前日には盛實先生おすすめの焼き鳥屋で医療センターのメンバーと楽しいひとときを過ごさせていただきました。

忙しい中、学会に行かせてくれた医局員の先生方に感謝いたします。
今後も中毒について専門的な知識を得て、日々の臨床に還元できるよう精進したいと思っています。
誰か私と一緒に中毒マニアになりませんか??
高知医療センターの盛實先生と

2018年7月13日金曜日

第32回日本外傷学会総会学術総会

みなさん、こんばんは。
救急部の原です。
最近は山本先生に任せきりで久しぶりの投稿です。

遅くなりましたが、6月21、22日に京都国際会館で行われた第32回日本外傷学会に参加してきたので報告します。
当院救急部からは山本先生と私が3年連続で発表してきました。
演題は、山本先生が「自傷行為による咽頭刺創の1例」、私が「膵損傷合併が疑われた外傷性十二指腸壁内血腫の1小児例」でした。
山本先生の発表は、刺創が数mmずれていたら大量出血で失っていたかもしれない稀な症例報告でした。
私は疾患自体はそれほど稀少ではありませんでしたが、かなり治療方針に悩んだ症例で、会場からもたくさんの貴重なご意見をいただきいいディスカッションができました。

他にも今学会の目玉の一つに、元プロ野球読売巨人軍の桑田真澄さんによる特別講演がありました。
メイン会場はどの講演よりもたくさんの人で埋め尽くされ、大盛況でした。
桑田さんの少年時代からPL学園、巨人、大リーグでの成功と苦悩について約1時間拝聴しました。
甲子園20勝、プロ野球173勝など、あれだけの成功を収めた人から「楽しい時間より挫折と苦悩の方がずっと多かった。」という言葉が出たことは驚きでした。

夜は京都の小料理屋でハモ料理を堪能し、明日からの活力を養った次第です。
留守番をしてくれた先生方、ありがとうございました。

全国学会は最新の知見を得るだけでなく、他の施設の先生方とディスカッションできる貴重な場です。
とくに外傷診療体制が十分ではない高知県で診療に携わっている私たちには得ることが非常に多いのです。
外科系救急医である私たちが、今後どのように活動の場を広げていくべきか考えるいい機会となりました。
重症外傷患者の救命とさらなるレベルアップのために、私たちから発信できるように頑張りたいと思います。

山本先生の発表もずいぶん堂々としてきました
桑田真澄さんの講演
京都のお酒とハモ料理を堪能しました