2016年11月19日土曜日

日本赤十字社中国・四国各県支部合同災害救護訓練

御無沙汰しております。救急部本多です。
去る11月12日、13日と日本赤十字社中国・四国各県市部合同災害救護訓練に参加させていただいたのでその様子を簡単に報告したいと思います。

今回の訓練は南海トラフ地震で徳島県が被害を受けたため救護班が出動し現地で活動を行う、という想定で行われました。
12日朝、高知赤十字病院、高知県支部、高知県赤十字血液センターの救護班員と、防災奉仕団の方々、総勢15名で高知県を出発。救護班員には、医師、看護師、薬剤師、事務員のほか「こころのケア要員」も含まれています。移動用の車両のほかにも、救急車と「dERU(緊急仮設診療所)」も出動しました。
徳島県の災害対策本部と無線で連絡を取りながら訓練会場へ向かっていると、他県の救護班の無線も入るようになりました。日赤の組織力を感じる一瞬です。
訓練会場に到着すると任務を与えられます。
今回の訓練では「病院支援」 の任務を与えられました。
災害医療となると、「災害現場での救護活動」や「瓦礫の下の医療」のイメージが強いかもしれません。しかし地震などの大規模災害時には、病院の診療能力以上に負傷者が来院すると考えられるため、病院での医療活動を継続していくためには外部からのマンパワーや医療資機材による援助が必要となります。ですので「病院支援」も災害時における重要な活動の一つとなります。

今回は12日に「dERU」 を設営し、そこを病院に見立て、翌13日実動訓練を行いました。
今回のメンバーは何度も訓練に参加していたため、慣れた手つきで「dERU」の設営が完了しました。設営後は徳島赤十字病院へ移動し、実動訓練のための事前机上訓練を行いました。
中四国各県から赤十字関係車両が勢ぞろいです。
写真には入り切っていませんが 大型のトラックやバスも複数台並んでいます。



翌13日は警察、消防、海上保安庁も参加しての大掛かりな訓練の始まりです。
倒壊した建物からの救出訓練、海上に流された人の救出訓練などが行われ、ヘリコプターも飛び交う緊迫した訓練となりました。
我々高知県支部救護班は病院に見立てたdERU内で、病院指揮下に入り模擬患者の診察、処置を行い、入院、手術の段取りを行ったり他の医療機関へ搬送するための連絡、調整などの補助を行いました。 模擬患者役には医療系大学の学生さん達が参加してくれていて、迫真の演技をみせてくれたので、こちらも熱の入った診療を行うことが出来ました。
訓練自体は3時間程度で終了しましたが、様々な問題点を見出す事が出来ました。
訓練終了後はその問題点に対し検討、対策を行っていきたいと思います。

今後必ず起こると言われている南海トラフ地震、ほかにも地震大国日本である以上、いつ大規模災害が起こっても不思議はありません。
そのときに赤十字救護班として立派に活動できるよう日々研鑽を積んでいきたいと思います。


災害医療に興味のある方、一緒に働いてみませんか?