2015年6月26日金曜日

第29回日本外傷学会学術集会


こんにちは。
救急部の原です。

61112日に札幌で開催された第29回日本外傷学会学術集会に参加してきたので報告します。
私の発表は、「当院救命救急センターで経験したフレイルチェストの2例」でした。

みなさんもご存じの通り、フレイルチェストには骨折の形態によってさまざまなタイプがあり、治療法についても一定していないのが現状です。
当院でもこの1年間に2例の重症フレイルチェストを経験し、各科とともに保存的治療と手術療法の選択に議論を重ねました。

私の発表したセッションの座長は、JATECでも個人的にお世話になっている医誠会病院の川嶋先生でした。
私個人としては手術に踏みきるタイミングについて議論したかったわけですが、各施設からさまざまな意見が出され、活発なディスカッションが交わされました。

ランチョンセミナーでは、以前に当院で講演していただいた旭川医科大学麻酔科の鈴木昭広准教授の「百聞は一見にしかず~チーム医療時代の気道管理術~」を拝聴しました。
鈴木先生の親しみやすい語り口と、わかりやすいスライドで聴衆は完全に引き込まれていたように思います。

また当院形成外科の中川部長が、今学会で口演の座長を務められました。中川先生は、頭頸部・顔面外傷のエキスパートであり、JATECインストラクターであるとともに、JETEC(外傷専門診療ガイドライン)の執筆者でもあります。外傷や熱傷だけでなく、災害医療にも積極的に関わってくださっており、私たち救急部も日頃から大変お世話になっている先生です。学会ではいつものわかりやすく丁寧な司会進行をされていました。

この時期の札幌は、涼しくて非常に過ごしやすい気候でした。
昼は学会会場で勉強し、夜はジンギスカンや札幌ラーメンなど少しですが北海道のグルメを堪能させていただきました。
しかし高知からの弾丸ツアーでしたのでとても観光する時間などなく、ホテルと学会会場との間にあった時計台と大通公園のテレビ塔だけはなんとか見れたという具合でした。
あまりの居心地のよさに不謹慎にも、このまま夏休みをもらってゆっくりしたいなぁなどと思った次第です

この学会では、「時代はDamage Control SurgeryならぬDamage Control IVRが主流となりつつあること」、「外傷患者はチーム医療なくして救命しえないこと」を学びました。
学会で得た知識を当院救命救急センターに持ち帰り、外傷患者を救命するために現在さまざまなプロトコールを作成中です。

外傷患者数は年々減少してきているとはいえ、今後もさらに院内連携をはかり、「防ぎ得た外傷死」の救命に全力を尽くしていきたいと思っています。



当院形成外科の中川先生による座長
 
旭川医大の鈴木先生のランチョンセミナー
 
 
唯一見れた時計台
 
前橋日赤の町田先生おススメの札幌ラーメン「大公」